シルクの制作工程
1.養蚕について

養蚕業(ようさんぎょう)はカイコ(蚕)を飼ってその繭から生糸(絹)を作る産業である。遺伝子組み換えカイコを用いた医薬素材の生産や、カイコ蛹を利用して冬虫夏草(茸)を培養するといった新しいカイコの活用も進んでいる。
養蚕業の歴史は古く、中国から他国に伝わったとされる。日本へは弥生時代に中国大陸から伝わったとされる。
養蚕業は蚕を飼うためクワ(桑)を栽培し繭を生産する。繭を絹にするために製糸工場で繭から生糸へと加工され、生糸をさらに加工して絹織物などの繊維になる。現在[いつ?]日本では蚕を使ったタンパク質の生産の研究が主になっているが、培養細胞によるタンパク質の生産効率の高まりとともに、蚕を用いる優位性は下がってきている。
日本においては、世界恐慌以降の海外市場の喪失、代替品の普及などで衰退していった。 昭和初期には221万戸もの農家(当時の国内農家の約4分の1)が従事する基幹産業であったが、現在[いつ?]の養蚕農家数は全国で500戸を下回っている。一方で、数万頭の蚕の生育度合を調整して同じタイミングで上蔟(じょうぞく:蚕が繭を作り出すこと)させるなど、日本の養蚕農家には特筆されるべき技術・知恵が残っている。
2.乾繭について

生繭を乾燥させたもの。生繭の場合は蛹が羽化するので5日,殺蛹しても2〜3週間程度しか保存できないが,乾繭にすると約1年程度は可能。乾繭機によって乾燥させるが,その方法には,気熱式,熱風式,低温風力式などがある。

 

 

 

 

3.製糸について

座繰りは昔から行われていた 糸繰り(いとくり)の方法です。鍋で煮た繭を手回しの小枠(こわく)にゆっくり巻き取る方法で、糸を繰(く)る人の個性が現れた千差万別の糸が作られます。
座繰りには一般的に製糸会社に出荷できないような品質の悪い繭を用います。でも、できた糸は適度に節(ふし)のある糸になり、この糸を使うことによって、味のある織物を作ることができます。熟練者が手作業で丁寧(ていねい)に行いますので、座繰りの生糸は高価な値段で取り引きされます。
4.撚糸について

撚糸の手順としては、原糸入荷 → 合糸 → 撚糸 → 検査・荷造り → 出荷、といった流れが一般的な工程です。
合糸(ごうし)とは、「合糸機」と呼ばれる機械で複数本の糸を引き揃えて合わせる作業のことです。撚糸加工の工程においては、この合糸工程がたいへん重要な作業になります。ここで複数本の糸がきれいに引きそろっていないと、撚糸がうまく出来ず「不良糸」が出来てしまいます。
5.染色について

絹の特性を活かすために無漂白、無染色の生成(きなり)の糸を使って、製品を編み上げます。

 
6.織りについて

この工程も編み機による機械的な工程です。機械油(潤滑油)が製品に付着する場合がありますが、ご心配の方は一度洗濯されてからご着用いただけると安心です。